今回は、売れる、売れている通販・ECサイトの秘密と極意についてお話します。
質問です。
解りやすく美しいLP(ランニングページ)に、SNS広告、Youtube広告から誘われて観たことはありませんか?
そこでは、独自・人気のファッション、化粧品、コスメ、美味しい食品、痩せるサプリ、可愛いインテリア雑貨等が売られています。
「定期契約」しかないですが、”今だけ契約金額がお得””今なら初回分無料””途中解約可能”などの美辞麗句を添えて。
購買したことがある人もいるのでは?
多くは短期間で成功し華々しく儲けました。
理由として、
1.コロナ禍自粛でネット利用機会、ネット購買市場そのものが一気に増大した。
2.新興系EC構築サービスで安く早く店を構築できた(BASE(ベイス)、STORES(ストアーズ)、Shopify(ショッピファイ)等)。
3.コロナ禍で生産減の工場増加。OEM活用による低予算での商品開発・生産。
などが後押ししました。
彼らをD2C(Direct To Consumer)ブランドとよんでいます。
しかし、その多く(一説に9割)が失敗しています(!!)
その理由を紐解くことがそのままECサイト成功の秘密・極意といえます。
1ステップマーケティング(広告→即、定期購入)に成功したようにみえますが、多くは初回無料のあと一度定期購買を解約し様子をみようとした購買者が多い。
にも拘わらず、色々難癖をつけたり無視して強制的に解約を避ける犯罪すれすれの行為を行いました。
中には契約前に明示の通り解約に応じ、気に入った購買者のみ残る対応をしたメーカーもいましたが、”D2Cは悪い奴ら”のレッテルを貼られてゆきます。
彼らのメインの失敗は、
”功(短期での儲け)を焦って、労(信頼関係構築)を怠った”ことによります。
いっとき信じて商品を買ったものの期待ほどのものではなかった。
強制的にリピートさせられたり、キャンセルを無視されたり、強引に継続をせまられむしろ憎らしくなった。
SNSで同様の負の告発を目にするようになった。
そうです、一瞬売れても継続して売れるLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を疎かにした。
「継続性の弱さ」が仇になっています。
別角度でみるといち社員、ビジネスマンとして営業成績はいいが、経営はド素人のようなものでした。
ひとりひとりのお客様に感謝せず、信頼性構築・継続に努力せず、ただリピートするとお得、まとめ買いはお得と煽るだけ。
それも最初うまくいったので益々図にのって天狗になった。
CRM(顧客関係管理)がまったくなっていなかったわけです。
では単品主力・人気商品のECでうまくいっているところはどういった企業で、どういうことをしているのか。
1.単品通販第一世代:「九州の通販企業」群。都会(大人口・購買力)に遠い立地がそうさせたのか(かずや、キューサイ、健康家族、エバーライフ、えがお等)。
2.第二世代:大手メーカーによる通販事業参入。セサミンEX(サントリーウエルネス)、毎日飲む野菜(カゴメ)、健康道場緑黄野菜(サンスター)等。多くは特保(特定保健用食品)のお墨付きがある。
3.第三世代:1ステップマーケティングをせず真面目にLTV/CRMを大切にしたD2Cの生き残り。まとも企業。
中小企業は、2番は目指してはならないし目指せない。
ここでは、第一世代が地道に汗を流している極意を共有します。
列記するとその姿勢、心、気合が伝わると思います。
「CRM」+「2ステップマーケティング」=「LTV」のためにやっていること。
・商品とともに会報誌、お礼の手紙同梱など、商品以外の「体験価値」の提供。
・不明点、質問にコールセンター(直電話)やダイレクトメールで親身に「タッチポイント」継続。
・(「定期継続」に走らず)「1週間無料お試し」「ワンコインモニター」等価値体験体感を重視。
・上記で得た情報を顧客ごとにデータベース化。ナレッジでサポート・回答文言を共有。
・商品だけではなく経営陣、担当者、起業精神など「想い」も丁寧に伝える。
・新規顧客集客減、リピーター減、定期契約解約、等敏感に管理し離反理由を知る。
・これらのサポートを改善するべく継続して会議、モチベーションアップ。
どれも面倒で泥臭く、そして”誰にでもできる”ことだといえます。
誠意をもって長い視点で信頼性を構築すること。
結局、リアル商売の成功と共通点が多いですね。
第一世代の成功事例「かずや」と第三世代の成功事例「北の達人」についての詳細は、またの機会にお話させていただきます。
最後に「失敗するECの”4つの共通点”」を整理します。
1)1ステップマーケティング(面倒なCRM嫌)
2)グレーな広告を活用(美辞麗句 SNSでしか出稿できない)
3)過剰な初回割引(美辞麗句 解約させない)
4)資金調達の目的化(短期に成果必用)
デジタルマーケティングは、早く安く誰にでもできます。
だからこそ、他者より早く着手した人たちが勝っています。
”中小企業のための”
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<参考文献> 日経Xトレンド 2024年5月号
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