半導体不足 真の原因は?

マーケティングコンサルタントの松川勝成です。
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私の社会人生活、ビジネスのスタートは半導体製造装置メーカー兼商社でした。 昔とった杵柄ではないですが、やはり今でも気になりますし、情報に接すると理解度も高いと自負しています。 特に昨今は業界をリードしていた時代に比して大きく世界の勢力図がかわっています。

この問題は広義の意味ではマーケティングを含む戦略のミステイク、大いなる読み違えが本質にあります。

現状について解説させて頂きます。

今回の問題がもっとも深刻なのは自動車メーカーです。 一言でいうと自分勝手、利己的な日本の製造業が抱える深刻な生産方式にあります。 ご存じの「ジャスト・イン・タイム」です。 「欲しいときに声かけるからとっとと持ってきな」という仕組みです。 私が在していた1990年代にもすでにこの制度はありました。 が、内示という手配方式により購買もリスクをおっており、在庫については商社の利益確保を前提に商社がその存在意義として請け負っていました。

半導体不足

しかし、今、リスクを負わない生産方式と商社の得る利益がどんどん薄利になり、機能しなくなっていました。 業界に残る知己から、いつか致命的な在庫不足、部品争奪時代がやってくると聞かされており、現実になったわけです。

これは生産、流通における致命傷です。

一方で国内半導体メーカーにも製造戦略、技術革新において責任放棄ともいえるミスを見受けます。 それは、設備投資のリスク軽減のためファブレス体制を強くおし進めたことです。 この傾向は日本だけではなく、アメリカ、ドイツの半導体メーカーにみられる現象です。 加えて、業界単位での半導体争奪戦が熾烈になっているにも関わらず、スマホの台頭に目をつぶっていた。 厳密には、自動車業界が車載半導体を買う、増産しろ、納品しろといえば、スマホ業界ごときに奪われた(半導体の)製造ラインをうばいかえせると考えていたと推察しています。

しかし、今、ラインはうばえていません。

キーを握るのは、台湾の超近代化半導体メーカー、TSMC 本人だけです。 TSMCに半導体製造装置を供給している、私の在していた装置メーカーも自動車業界の巨頭も台湾政府さえも彼らの意志を動かすことはできません。

自動車業界よりも、アップルやAndroid系=Googleの勢力下にいるスマホ生産力は、おいそれとは落ちてこない。心中するにあたいすると判断しているようです。

最後に、TSMCが何故、世界の巨大メーカーから求められるのか技術的なところを説明しておきます。

半導体微細化

半導体製造は施設(クリーンルーム)と製造装置の稼働を開始したからといってすぐに歩留まりという成果があがるものではありません。 繰り返し製造することで、製品に値する半導体を製造できるのです。 このため、新しい工場を起動にのせるには巨額の投資と長い歩留まり向上のノウハウがないと利益を生みません。 加えて、製造期間に突貫工事的な時短はできず。 化学的、物理的にかかる時間はどうしても短縮できません。

今稼働している製造ラインに当面頼るしかないわけです。 彼らだけが実現している半導体の製造ラインは、超微細化による5nm(ナノメートル=ミリの千分の一)のラインです。 アップルはすでに、この25パーセントを抑え、ゆずる気はありません。

TSMCも新工場をたてて、問題解決に前向きですが、上記の理由により、実際に歩留まりがあがり半導体の生産性があがってくるのは、はやくて、2023年あたりといわれています。

当面、自動車業界の歯ぎしりがきこえ、それは、日本経済、GNPにも小さくない負の影響をあたえるでしょう。

「買う」側だからと自社、自業界だけの利を追求していると、目先の数字はあがっても、栄華は長くは続かないという現実。 すべてのビジネスにおいて痛烈な警鐘として学ぶべきだと考えます。

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【参 考】
オリジナルコンテンツ
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