営業担当者がいない中小企業は、どうやって新規顧客を増やすのか

「新しいお客様を増やしたい。でも、営業を担当する社員がいない」
中小企業の経営者から、こうした悩みを聞くことがあります。

営業担当者を採用したいと思っても、すぐに採用できるわけではありません。採用できたとしても、給与や社会保険などの人件費がかかります。経験のある営業担当者が入社してくれるとも限りません。
結局、社長自身が営業を担当することになります。
ところが、社長には営業以外にも、やるべき仕事がたくさんあります。
既存のお客様への対応、社員の管理、仕入れ、資金繰り、日々の経営判断。
目の前の仕事に追われているうちに、新規顧客を開拓する時間がなくなってしまいます。
では、営業担当者がいない中小企業は、どうすれば新しいお客様を増やせるのでしょうか。

私は、まず営業担当者を採用することよりも、営業担当者がいなくても新しいお客様と出会える仕組みをつくることが重要だと考えています。

今回は、そのために取り組みたい5つのことをご紹介します。

新規顧客を増やすためにやる5つのこと

1.最初に「どんなお客様を増やしたいのか」を決める

新規顧客を増やそうとすると、まず営業先のリストを作ったり、電話営業を始めたりする会社があります。
しかし、その前に考えたいことがあります。
それは、どんなお客様と取引を増やしたいのか、ということです。
例えば、法人向けの製品やサービスを提供している会社なら、次のような条件を整理してみます。

どのような業種の会社なのか
会社の規模はどれくらいか
どのような課題を抱えているのか
自社の商品・サービスで何を解決できるのか
どのような取引ができれば、お互いにメリットがあるのか

すべてのお客様を対象にしようとすると、誰に何を伝えればよいのかが曖昧になります。
反対に、対象となるお客様が明確になれば、営業先を探すときも、ホームページを改善するときも、発信する情報を考えるときも、判断しやすくなります。
営業担当者がいない会社ほど、限られた時間を有効に使う必要があります。
だからこそ、最初に「誰に売るのか」を明確にしておくことが大切です。

2.既存のお客様との関係から、新しい取引先を広げる

新規顧客の開拓というと、まだ接点のない会社にアプローチすることを考えがちです。
しかし、営業担当者がいない会社にとって、まず見直したいのは既存のお客様との関係です。
すでに取引のあるお客様は、自社の商品やサービスを知っています。仕事の進め方や対応についても、ある程度理解してくれています。
こうした関係を、新しい取引につなげられないでしょうか。
例えば、

既存のお客様が抱えている別の課題を聞いてみる
これまで提供していなかった関連サービスを提案する
お客様の別部署や関連会社との接点をつくる
満足していただいているお客様に、紹介をお願いする

といった方法があります。
もちろん、紹介をお願いすれば必ず紹介してもらえるわけではありません。日頃の仕事で信頼を積み重ねることが前提です。
また、紹介をお願いするときも、単に「誰か紹介してください」と伝えるより、
「もし、○○で困っている会社をご存じでしたら、お声がけいただけるとうれしいです」
と、自社が役に立てる相手を具体的に伝えるほうが、相手も思い浮かべやすくなります。
新しいお客様を探すことだけでなく、すでにある信頼関係を広げること。
これは、営業担当者がいない会社でも始めやすい取り組みの一つです。

3.ホームページを「会社案内」から「新しいお客様との接点」に変える

営業担当者がいない中小企業にとって、ホームページは重要な営業基盤になります。
ただし、ホームページがあれば、それだけで問い合わせが増えるわけではありません。
会社概要、事業内容、代表者の挨拶、製品紹介。
これらの情報はもちろん必要ですが、それだけでは、初めて訪問した人が「この会社に相談してみよう」と判断するには不十分なことがあります。
大切なのは、お客様の立場で情報を整理することです。
例えば、次のような情報を掲載します。
お客様の課題
どのような悩みや問題を解決できるのか。

解決方法
自社の商品・サービスで、どのように対応するのか。
実績や事例
これまで、どのようなお客様の課題を解決してきたのか。
問い合わせへの導線
相談したいと思った人が、迷わず連絡できるようになっているか。

特に、実績や導入事例は重要です。具体的な事例を紹介することで、訪問者は自社が相談した場合のイメージを持ちやすくなります。
また、ホームページを訪問する人が、必ずしも今すぐ購入したいとは限りません。
まだ情報を集めている段階の人にも役立つ記事や解説を用意しておけば、将来のお客様との接点をつくることができます。
営業担当者が一人もいなくても、ホームページは情報を伝え続けられます。
ただし、問い合わせを増やすためには、誰に何を伝え、どのような行動につなげたいのかを設計することが必要です。

4.SEOや情報発信で、必要としているお客様に見つけてもらう

ホームページを整えたら、次に考えたいのが、どうやって見込み客に訪問してもらうかという問題です。
ここで活用したいのが、SEOや情報発信です。
例えば、自社が製造業向けの設備保全サービスを提供しているなら、サービス名だけでなく、お客様が実際に困っていることに着目して情報を発信します。
「設備の故障を減らすにはどうすればよいか」
「設備保全の外注先を選ぶときの注意点」
「保全業務の人手不足にどう対応するか」
このように、お客様が検索しそうな疑問や課題に答える記事を掲載します。
検索した人にとって役立つ情報があれば、自社を知ってもらうきっかけになります。
もちろん、記事を公開すれば、すぐに問い合わせが増えるわけではありません。検索順位が上がるまでに時間がかかることもありますし、アクセスが増えても問い合わせにつながらない場合もあります。
だからこそ、記事を読んでもらうことだけを目的にせず、関連するサービスや事例を紹介し、必要な人が相談できる導線を整えることが大切です。
また、すべての会社がブログやSNSを大量に更新する必要はありません。
自社のお客様がどこで情報を集めているのかを考え、継続できる方法を選ぶことが重要です。
営業担当者を増やす代わりに、情報発信を通じて、自社を知ってもらう機会を少しずつ増やしていく。
それが、Webを活用した新規顧客開拓の基本です。

5.営業活動を「社長の頑張り」だけに頼らない

最後に、最も大切なことをお伝えします。
それは、新規顧客の開拓を、社長個人の努力だけに頼らないことです。
社長が営業を担当している会社では、社長が忙しくなると営業活動が止まってしまうことがあります。
既存のお客様への対応が増えれば、新しいお客様を探す時間がなくなります。
急なトラブルが発生すれば、予定していた営業活動も後回しになります。
そして、気がつけば何カ月も新規開拓が進んでいない。
このような状態を避けるには、営業活動を仕組みとして整理する必要があります。
例えば、次のような流れです。

1.自社が増やしたいお客様を明確にする
2.お客様に知ってもらうための情報を発信する
3.問い合わせや紹介を受け付ける
4.問い合わせに対応し、商談につなげる
5.商談結果を振り返り、改善する

そして、それぞれの段階について、何をするのか、誰が担当するのか、どのくらいの頻度で取り組むのかを決めておきます。
最初から立派な仕組みをつくる必要はありません。
例えば、毎月一つ、お客様の役に立つ記事を公開する。既存のお客様に一社、紹介の相談をしてみる。問い合わせ件数と商談件数を記録する。
小さな取り組みでも、継続し、結果を確認し、改善していけば、次に何をすべきかが見えてきます。
大切なのは、社長が毎回ゼロから考え、すべてを自分で動かさなければならない状態から、少しずつ抜け出すことです。

営業担当者がいない会社こそ、仕組みを考えたい

営業担当者がいない中小企業でも、新規顧客を増やす方法はあります。
今回ご紹介した5つのポイントを整理すると、次のようになります。

1.誰に売るのかを明確にする
2.既存のお客様との関係から取引を広げる
3.ホームページを新しいお客様との接点にする
4.SEOや情報発信で、必要としている人に見つけてもらう
5.社長の頑張りだけに頼らない営業の仕組みをつくる

もちろん、業種や商材、取引単価によって、適した方法は異なります。
紹介が効果的な会社もあれば、検索からの問い合わせが有効な会社もあります。展示会や業界団体での活動が重要な会社もあるでしょう。
大切なのは、流行している手法を片端から試すことではありません。
自社のお客様は誰なのか。どのような方法なら出会えるのか。そして、出会ったお客様と、どうやって取引につなげるのか。
この流れを整理することです。
営業担当者がいないから、新規顧客を増やせない。
そう決めつける必要はありません。
まずは、自社に合った方法を一つ選び、できるところから始めてみてはいかがでしょうか。

社長の右腕として、一緒に考え、一緒に動く

私は、中小企業の社長の「右腕」として、経営、営業、集客、Webなどの課題を一緒に整理し、改善を進める仕事を始めています。
営業担当者がいない。新規顧客を増やしたい。でも、何から始めればよいのか分からない。
そんなとき、必要なのは、施策を次々と提案する人だけではないと思います。
自社の状況を一緒に確認し、優先順位を決め、実際に動かしていく相手です。
営業を採用する前に、今ある人材やホームページ、既存のお客様との関係を生かせるかもしれません。

「何をすべきか」を整理するところから、一緒に始めてみませんか。


新規顧客を増やしたい。でも、何から始めればよいか分からない社長へ

営業担当者がいない。新規顧客を増やしたい。
でも、日々の仕事に追われ、営業や集客の改善まで手が回らない。
そんな中小企業の経営者と一緒に、経営・営業・集客・Webの課題を整理し、改善を進めるのが「社長の右腕」です。

今の会社に何が必要なのか。何から取り組むべきなのか。
まずは、現状を整理するところから始めてみませんか。

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