Ad Fraud(アドフラウド)を知らねばなりません!(中小企業ほど)

9月4日放送の『クローズアップ現代+』(NHK)では、番組の取材班がその実態の追及に乗り出し、突撃取材を敢行した様子を放送しました。

あぁ、いよいよここまで来たのだなぁと思いました。

大手企業や地方自治体がかなり大きな予算をつかい真面目に取り組んでいるインターネット広告と拡散が舞台です。

当然のように大手広告代理店(ここでは電通九州など実名出演)に委託しています。

電通の苦しい言い訳が印象的でしたし、実際、そうとしか言いようがないのですが、大手広告代理店も最先端のネット広告の手法は頭で理解していても実施するノウハウも管理する時間がありません。

このため「任せっきり」になっています。
この再委託先のベンチャー的な代理店も、犯人というより、むしろ被害者の体裁で発言しています。

この機会に私なりの「アドフラウド」への理解と対策を共有させて頂きます。

adfraud

アドフラウドは、広告媒体の成果を不正に水増しする手法のことです。

実際には何の成果もないのにCV(コンバージョン=広告が表示された・クリックされたなど)が出ているように疑似、桜のようなアクションをおこし管理画面での計測数字を実際と違うようにしてしまう。
管理画面を共有していな場合は、レポート上で同様に嘘の計測数字を記載するようなことが実際にあります。

関係者や識者の間では知られていましたが、これまでは暗黙の了解のような扱いであったと思います。

ところが、私自身、IT系の新聞、雑誌以外の一般紙でこの話を目にするようになりました。
その内容は大きく分けて2つです。

1.アドフラウドを知り、対策することは、悪意の第三、ハッカーの監視ではなく、広告代理店を疑い、代理店そのものの不正を監視せねばならなくなっている。

2.これまでIT業界で問われてきた、まだ市民権を得ていない言葉、アドフラウドがいよいよ一般世界にまで浸透してきたので気をつける。

前者は、そのまま。
広告代理店の水増し請求が横行しています。
利用者の無知にも問題があります。
しっかり理論武装し、なめられないようにすべきです。

後者は、危惧が現実味を帯びている証拠です。
水増し請求は、一般誌でも問うほど多くなっている証明です。
ノンビリしている場合ではありません。

まずは、広告代理店にカマをかけて、請求内容をしっかりと吟味しましょう。

任せっきりは我々利用者の罪です。

信頼してもよいですが、信用してはなりません。

そのためには、理論武装、基礎くらいはしっかりと知っておく必要があります。

以下に基本的な、極めて残念な手法を共有します。

  1. 隠し広告(Hidden Ads)
  2. 過度な広告の詰め込み(Ad Density)
  3. 自動リロード(Auto Refresh)
  4. 第三者からのトラフィック獲得(Sourced Traffic):広告経由
  5. 第三者からのトラフィック獲得(Sourced Traffic):トラフィックエクスチェンジ経由
  6. オークションのURL偽装(Falsely Represented)
  7. データセンターからのトラフィック(Data Center / Proxy)
  8. クッキー汚染(Cookie Stuffing)
  9. 不正な広告挿入(Ad Injection)
  10. ウイルス・マルウェア・アドウェアなどによる個人端末の乗っ取り(Malware, Adware, Hijacked Device)
  11. ブラウザを自動で動かして広告閲覧を生成(Imp/click Bot, Retargeting Fraud)
  12. 不正クリック発生によるアトリビューションの汚染(Click Stuffing)
  13. 不正クリックによるコンバージョンの乗っ取り(Click Injection)
  14. バックグラウンドでの広告閲覧による収益の水増し(Background)

詳細はググって頂ければお分かりになりますが、大体、この文体をみれば想像がつきますね。
嘘のような、本当に実在する手法です。

特に、スマホ上の広告で横行しているようで、この背景として大きな金額を出資しているゲーム業界が広告主であるのでこれをターゲットに悪意も集中していると説いています。
しかし、私の私見では、ゲーム業界の者も技術的なレベルは高くアドフラウドをよく解っている。ゲーム業界も似たような不正が横行しているので黙認しているのでは・・・とみています。
ひねくれた考えでしょうか・・・。

これらは厄介なことに、不正ではあるもののSEOの外部施策のような一定の効果をえる可能性があります。

万が一使うなら、確信犯でSEO的な効果のために利用し、広告代理店の利用も水増しではなくSEO的な副次効果を狙ったものであれば、狙いを共有して連帯して使わなければなりません。

今一度言います。

・(私たちは)理論武装はしっかりと継続してやるべし。

・(代理店は)信頼してもよいですが、信用してはなりません。

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